フォントに収納されているすべての字形(グリフ)にUnicodeのコードポイントが割り当てられているとは限りません。
そのような場合には,CIDまたはグリフ名によりグリフを直接指定することができます。
CIDによるグリフ指定
使用するフォントがOpenTypeフォント(拡張子:*.otf)であれば,CIDをキーとしてグリフを指定することができます。
CIDとは,CIDフォントが内蔵するすべてのグリフを一意に識別するために,Adobe社が付与した番号です。
その番号体系は,日本語CIDフォントであればAdobe-Japan1文字コレクションにもとづいています。
CIDによるグリフ指定は,Field Reports独自の以下の実体参照形式により行います。
“&@#dddd;” または “&@#xhhhhhh;”
グリフ名によるグリフ指定
使用するフォントで「グリフ名」が定義されていれば,グリフ名によるグリフ指定を行うこともできます。
グリフ名が定義されているかどうかは,ttfdumpなどのツールで,TrueTypeフォントの「post」テーブルの内容をダンプすると確認することができます。
「aj」は「Adobe-Japnan」略で,<数値>はCIDに対応しているようです。
Glyf 123 -> PSGlyf Name # 123, 'aj147'
Glyf 124 -> PSGlyf Name # 124, 'aj148'
Glyf 125 -> PSGlyf Name # 125, 'aj149'
Glyf 126 -> PSGlyf Name # 126, 'aj150'
Glyf 127 -> PSGlyf Name # 127, 'aj151'
Glyf 128 -> PSGlyf Name # 128, 'aj152'
Glyf 129 -> PSGlyf Name # 129, 'aj154'
Glyf 130 -> PSGlyf Name # 130, 'aj157'
Glyf 131 -> PSGlyf Name # 131, 'aj158'
Glyf 132 -> PSGlyf Name # 132, 'aj160'
Glyf 133 -> PSGlyf Name # 133, 'aj161'
Glyf 134 -> PSGlyf Name # 134, 'aj162'
IPAmj明朝フォントでは,「mj<6桁数値>」という形式のグリフ名が付けられてます。
Glyf 2006 -> PSGlyf Name # 2006, 'mj000001'
Glyf 2007 -> PSGlyf Name # 2007, 'mj000002'
Glyf 2008 -> PSGlyf Name # 2008, 'mj000003'
Glyf 2009 -> PSGlyf Name # 2009, 'mj000004'
Glyf 2010 -> PSGlyf Name # 2010, 'mj000005'
Glyf 2011 -> PSGlyf Name # 2011, 'mj000006'
Glyf 2012 -> PSGlyf Name # 2012, 'mj000007'
Glyf 2013 -> PSGlyf Name # 2013, 'mj000008'
Glyf 2014 -> PSGlyf Name # 2014, 'mj000009'
Glyf 2015 -> PSGlyf Name # 2015, 'mj000010'
Glyf 2016 -> PSGlyf Name # 2016, 'mj000011'
これは,IPAmj明朝フォントの「MJ文字図形名」に対応しています。
このグリフ名を使って,以下のField Reports独自の実体参照形式によりグリフを指定することができます。
“&@<グリフ名>;”
フォントを埋め込んだPDFを作成すれば,IPAフォントをインストールしていないコンピュータでも,当然文字化けなしで表示することができます。
現在のところ,グリフ名が定義されていることが確認できたフォントとしては,IPAフォントがあります。