Field Reports 1.4では,OpenType/TrueTypeフォントの埋め込みが可能になります。
フォント埋め込みとは
PDFファイルにフォントの字形(グリフ)データを埋め込む機能です。
フォントを埋め込まない場合,PDFを受け取った相手のコンピュータに同じフォントがインストールされていないと,異なったフォント(代替フォント)で表示されます。最悪の場合,代替フォントを見つけることもできず,文字化けが発生します。
PDFにフォントを埋め込むことで,特殊なフォントを利用してもPDFを送付した相手に確実に伝達できるようになります。
例えば,毛筆体フォントなどのデザインを重視したフォント,ORCフォント・バーコードフォントのように正確な再現が必須となるフォントを使用する場合に役に立ちます。
グリフデータを埋め込むことでPDFのファイルサイズが増えますが,「サブセット化」を有効にすることで,最小限の増加に留めることができます。
例1「ヒラギノフォント」の場合
では,実際の例を用いてフォントを埋め込まなかった場合と埋め込んだ場合を比較してみます。
Mac OS X 付属の「ヒラギノ明朝 Pro W6」を指定してPDFを作成するものとします。
フォント埋め込みを行わないでWindowsで開くと,一見正しく表示されていますが,全体に線が細いことからヒラギノ明朝 Pro W6ではない別の明朝フォント(おそらく小塚明朝フォント)で表示されていることがわかります。
ヒラギノフォントをPDFに埋め込んで作成すると,Windowsでもヒラギノフォントの字形で表示されます。
ちなみに,この時のファイルサイズは,フォントを埋め込まなかった場合は3.8KB,埋め込んだ場合は416.7KBでした。
例2「たぬき油性マジック」の場合
先程と同様にMac OS Xでフォントを埋め込まないPDFのを作成してWindowsで開くと,今度は文字化けしてしまいました。
たぬき油性マジックに似たフォントが見つからず,Adobe Readerが表示を諦めてしまったようです。
フォントを埋め込めば,もちろん期待通りに表示されます。